small-title


玄関   フロント(更新履歴)    菅家旅館 ボストン本店について    従業員紹介

菅家旅館〜新館(ブログ)    菅家旅館〜旧館   周辺のみどころ(リンク)    お問い合わせ


2006年10月22日(日)




大女将直伝の味(3)



bekkan7


菅家旅館 本家の大女将より、直々に指導を受けた調理方や 秘伝の技等を、小出しに紹介していくこのシリーズ。 今回は「お萩」について、書かせていただきます。


「春はボタ餅、秋はお萩」と言われるように、この餅は、 作られる時期や地方によって呼び名が異なります。
中には、「半殺し」・・・もち米の粒を、半分程度残る状態へつきあげるため。 「隣知らず」・・・普通に餅をつく場合のような、大きな動作や準備が必要でないため。 等と、想像もつかないような呼び名で呼ばれる事もあります。

また、その形状も地方や家庭によって異なり、こし餡のみを使用する場合や つぶ餡のみの場合、青のりやきな粉をまぶした物等、様々な種類の物が存在するようです。

ちなみに、大女将が生まれ育った地方では、秋作られる物を「お萩」と呼び、 粉状のさらし餡を水でもどし、練りあげた物(こし餡)を使用するそうです。 (柔らかく炊いた通常の乾燥小豆を、粒がなくなるまで練った物でも可。)

この日記では、スペースの問題上、詳しいレシピは記載できないのですが、 おいしく作るポイントをいくつか書いておきます。


ポイント1 
★ 粉状の餡を水でもどす際、十分な時間をおいて水を吸わせる事。 また、もどした後のその上澄みは、粉臭さ(大女将曰く、「日なた臭さ」) を消すため、全部捨ててしまいます。

ポイント2 
★ 餡を練る際の砂糖はよく混ざるように、必ず、数回に分けて加えます。 また、出来上がる直前に、塩を一つまみ入れるのを忘れないように。 引き締まった、すっきりとした味に仕上がります。
砂糖の種類は、こくを出したい場合には三温糖かざらめ、あっさりと軽めに 仕上げたい場合は通常の砂糖を…、という風に使い分けると好みの味の物が作れます。

ポイント3
★ 決して強火にはせず、弱火で気長に餡を練りましょう。 出来上がりの目安は、餡をすくい上げた時に、 ボタッとまとまって落ちるようになるまでです。

ポイント4 
★ もち米は前の晩によく洗って、ざるに上げておきます。 水につけたまま長く置きすぎると、柔らか過ぎる、 水っぽいお餅になってしまうので注意しましょう。


これらのポイントを踏まえて作れば、市販の物よりも あっさりとした、優しいお味の「お萩」が作れるはず。 面倒だと思われがちな下準備も、前日に済ませてさえおけば、意外と簡単ですよ。

さあ、皆様方も家庭でつくる秋の味覚、「お萩」を楽しんでみられてはいかがですか?


追記  〜ボストン周辺にお住まいの方へ〜

この時用いたのは、大女将が持って来てくださった「さらし餡(パウダー状の餡)」であり、 当旅館周辺の日本食材店を探しましたが、同じような物は見つかりませんでした。
パック入りの「こし餡」は置いてあるようですので、塩を少々加えて味を調えると、 大女将の味に近い物が作れます。(甘みは大分強くなるかと思われます。)



前のページ  旧館のTOPへ  次のページ
inserted by FC2 system